最低賃金とは、働いて受けとる賃金の最低額を法的に保障する制度です。この最低賃金の金額以下で労働者を働かせた場合、罰則の対象となります。最低賃金には都道府県ごとの地域別最低賃金と、特定の事業もしくは職業ごとに設定される特定最低賃金の2種類があります。地域別最低賃金、特定最低賃金とも、最低賃金審議会において公益委員・労働者側委員・使用者側委員による審議を経て決定されます。連合はこの「最低賃金審議会」に労働者側代表として委員を送っており、最低賃金でも生活が可能な水準となるよう、毎年の金額引き上げに力を注いでいます。
格差・貧困問題の拡大や不安定雇用の増大による社会の不安定化は、許容範囲を大きく超えています。最低賃金の影響を直接的に受ける非正規労働者が増加しているうえ、その内訳も家計補助者から家計維持者へシフトしてきています。今やパート・派遣・有期雇用労働者は雇用労働者の38.2%、2043万人にも達し、給与所得者のおよそ4人に1人にあたる1200万人近くが年収200万円以下のいわゆるワーキング・プアと呼ばれる低所得層です。低所得層の家計を直撃する物価上昇は今後も続くと見込まれ¹、最低賃金制度が果たすべきセーフティネット機能の重要性は増しています。
地域別最低賃金は、「生活保護に係る施策との整合性に配慮」が盛り込まれた最低賃金法改正(2008年7月施行)以降、「できる限り早期に全国最低800円を確保」「全国平均1000円を目指す」という目標を掲げた雇用戦略対話合意²(2010年6月)、「経済財政運営と改革の基本方針」および「日本再興戦略」(2013年6月、2014年6月閣議決定)の影響も受け、従前に比べ大幅な引上げが続いている。2014年度には16円引き上げられ、最低賃金との比較方法に課題はあるものの、ようやくすべての都道府県で生活保護との乖離が解消されました。
しかし、全国加重平均930円という地域別最低賃金の額は、雇用戦略対話合意で目標とした「全国平均1000円をめざす」との水準には到達していません。社会の不安定化に歯止めをかけ、「働くことを軸とする安心社会」を実現するため、取り組みを進めていきます。
時間額911円(発効日:2022年10月1日)
茨城労働局では、茨城県最低賃金を時間額911円(昨年度879円から32円引上げ)に改正決定しました。
この最低賃金は、2022年10月1日から茨城県内の全産業・全労働者に適用されます。
最低賃金法により、茨城県最低賃金に満たない賃金額を内容とする契約は、労使双方の合意で締結しても、 賃金額については無効とされ、最低賃金と同額の契約をしたものとみなされます。
最低賃金についての詳細は、茨城労働局 労働基準部 賃金室(電話029-224-6216) または、最寄りの労働基準監督署にお尋ね下さい。
特定の産業に従事する労働者とその使用者に適用される最低賃金が、下記一覧表のとおり 改正決定されました。
使用者と労働者が合意し「特定最低賃金額」未満の賃金で労働契約を結んでも、その賃金は 無効とされ「特定最低賃金額」が適用されます。
件名 | 時間額 |
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鉄鋼業 | 1004円 |
はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具製造業 | 964円 |
計量器・測定器・分析機器・試験機・理化学機械器具、医療用機械器具・医療用品、光学機械器具・レンズ、電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具、時計・同部分品製造業 | 961円 |
各種商品小売業 | 911円 |
効力発生日:2022年12月31日
※詳細については、茨城労働局 労働基準部 賃金室(電話029-224-6216)又は 最寄りの労働基準監督署までお問い合わせください。