就職差別撤廃・啓発資料

公正なワークルール確立を
就職差別を撤廃しよう

【も く じ】
1、はじめに
2、就職差別との闘いで勝ち取ってきた制度
     ・法整備の現状
     ・「部落地名総鑑」差別事件
     ・「統一応募用紙」のとりくみ
     ・差別身元調査事件
     ・法律で求職者の個人情報の収集は制限されました
3、自分の職場を点検してみよう
     ・収集してはならない求職者の個人情報
     ・「公正採用選考人権啓発推進員」は設置されていますか。職場で人権啓発・研修はなされていますか。
4、高校・大学と連携した点検活動〜「受験報告書」
5、公務員のとりくみ
6、「就職差別撤廃月間」を設定し取り組みを強化しよう
7、今なお続く身元調査

関連資料 職業安定法 「第5条の4」
       「大臣指針」の抜粋


1、はじめに
 今日もなお就職差別は深刻な社会問題です。
 就職は人生の大きな岐路であり、自己実現や生活の糧を得るということからも非常に重要なものです。また、労働者の権利や人権を考えるうえでも、就職という雇用関係の出発点から考えることが大切です。募集や採用選考で差別を許せば、それは雇用関係や職場の日常生活にも反映されます。また逆に、企業などが人権問題をどう考えているかが、職場の人権状況に反映され、採用方針にも反映されるとも言えます。その意味で、就職差別を撤廃することと、職場から差別をなくし人権を守ることは密接に結びついています。
 また就職差別をなくすことは、新規学卒者だけの問題ではありません。転職や中途採用が増え、雇用形態の多様化も進む中で、公正なワークルールを確立するためにますます重要になるでしょう。
 以下の内容を活用して、学習会をもったり、仲間と話し合ったりしながら、自分の職場の現状を点検してみてください。


2、就職差別との闘いで勝ち取ってきた制度

   法整備の現状
 日本には採用における差別を罰する法律がありません。雇用主の採用の自由が優先されているのが現実です。
 男女雇用機会均等法は長年の闘いの中で1986年に制定されましたが、当初、採用における差別禁止は努力義務にとどまり、1997年の法改正の中で採用における女性差別の禁止を勝ち取りました。しかし、「企業名の公表」という制裁はあるものの罰則はなく、禁止されているのは性差別だけです。今後、様々な差別を事由とする就職差別の禁止など、雇用関係全般における差別禁止の法整備が必要です。
 差別を犯罪として明確に禁止することは国際的な潮流となっています。国連が多国籍企業などによびかけているグローバルコンパクトでも、その10原則のひとつに「雇用と就労に関する差別撤廃」が位置づけられています。また、ILO第111号条約(雇用および職業における差別を禁止)はILOの中核的8条約のひとつとされていますが、日本は批准しておらず、早期批准が必要です。
 一方、応募者の個人情報を収集することを制限する方法で、長年にわたり就職差別撤廃の取り組みが積み上げられてきました。この取り組みは、部落解放運動の中で前進してきましたが、「部落地名総鑑」事件は就職差別の深刻さを明らかにし、大きな社会問題として取り上げられました。
   部落地名総鑑差別事件
 この事件は、1975年に発覚したもので、『人事極秘・特殊部落地名総鑑』がダイレクトメールを使って販売されている事が明らかになりました。この書籍は、全国の被差別部落(同和地区)の所在地を新・旧地名で示し、主な職業や世帯数などを記載したもので、一冊3万円程度で売られていました。ダイレクトメールの内容は、採用において被差別部落出身者を排除することをそそのかすものとなっており、書籍の内容もその目的にしか使えないものでした。その後も「全国特殊部落リスト」など、「地名総鑑」と同様の書籍が全部で9種類発見され、購入した企業が一部・二部上場企業を中心に二百数十社も判明しました。
 これに対し、部落解放同盟は全国の組織をあげて糾弾闘争をおこない、購入企業ひとつひとつに反省をせまり、部落差別撤廃のために企業として尽力することを約束させました。また、政府に対しても対策を要求し、「企業内同和問題研修推進員制度」をつくらせたほか、このような事件や就職差別が起きないよう総務長官・労働大臣談話や関係9省庁事務次官通達などを出させました。
 また、これらの施策は、1973年から全国化された「統一応募用紙」の取り組みとセットで推進され、一定の成果をあげてきました。
   「統一応募用紙」のとりくみ
 就職差別をなくすために、重要な役割を果たしてきた取り組みとして「統一応募用紙」の取り組みがあります。
 この取り組みは、部落解放同盟の就職差別反対の闘いの中からおこり、それに共鳴する教師などの奮闘もあり、1970年に近畿や広島で実現し、さらに1973年に全国化したものです。それ以降、新規高卒者の就職応募書類は「全国高等学校統一応募用紙」、新規中卒者は「職業相談票(乙)」を使うように労働省・文部省(当時)を中心に指導されました。
 またその後、大卒者についても応募用紙の「参考例」が示され、「統一応募用紙」と同様の趣旨の徹底がはかられています。さらに市販のJIS規格の履歴書などにも同様の趣旨が貫かれています。
 これらの取り組みは、部落差別はもとより、家庭環境・資産や家族関係による差別、親の職業などによる差別、思想信条による差別など、あらゆる差別に結びつく個人情報の収集を許さない取り組みとして前進してきました。
 しかし、この施策は法の裏付けの無い労働省(当時)の通達によるもので、強制力が無いため徹底が難しく、違反した企業のなかには行政指導を無視し居直る企業もありました。そのような状況の中で、20年余りの取り組みの積み重ねに挑戦するかのように、差別身元調査事件が発覚したのです。
   差別身元調査事件
 1998年6月、大阪にある鞄本アイビー社とその子会社であるリック鰍ェ、企業から身元調査の依頼を受け、就職希望者が被差別部落出身かどうかなど、差別身元調査をおこなっていたことが発覚しました。これらの調査会社は、そのほかにも家族の職業などの家庭状況、民族、思想、宗教、労働組合活動、支持政党など、就職差別につながる事柄を調査していました。
 アイビー社の会員企業は約1400社あり、そのうち採用時に身元調査を依頼した企業は665社ありました。部落解放同盟は、これらの企業に身元調査の内容を問いただしました。ほとんどの企業は、職歴を確認しただけだなどと言い訳をしましたが、採用に際して身元調査はおこなわないよう労働省(当時)から指導されており、調査会社の差別的な報告を受けとっても問題を指摘しておらず、言い逃れはできませんでした。
 この事件は、採用に際しての身元調査が巧妙な手口でおこなわれている実態と、就職差別の根深さを明らかにしました。そして国会でも取り上げられ、労働大臣が経済・業種別団体に公正な採用選考を要請する文書を送りました。そして、この時期に審議されていた職業安定法改定の内容のひとつとして、差別につながるような求職者の個人情報は収集してはならないことが法制化されました。
   法律で求職者の個人情報の収集は制限されました
 1999年の職業安定法の改定では、第5条の4が加筆され、募集採用に際して、「その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。」ことが明記されました。
 そして、同法にもとづく労働大臣指針で「次に掲げる個人情報を収集してはならない」として、「人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項」「思想及び信条」「労働組合への加入状況」を明記しました。また、「個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で、本人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければならないこと」も明記し、身元調査はしてはならないことを明確にしました。
 さらに「高等学校若しくは中等教育学校又は中学校の新規卒業予定者から応募書類の提出を求めるときは、職業安定局長の定める書類(全国高等学校統一用紙又は職業相談票(乙))により提出を求めること」も明記されました。
  

3、自分の職場を点検してみよう

   収集してはならない求職者の個人情報
 「統一応募用紙」の基本的な考え方は、本人の適性・能力に関係ないことを採用の条件にしないことです。つぎに、応募用紙に書かせたり面接で聞いたりしてはならない事項について、具体例をあげて説明します。
@本籍地
 人事関係の取り扱いで「本籍地」を調べる傾向がいまだにあります。人を雇うときに本籍を調べる習慣は、明治時代に始まり部落出身者などを排除するために使われてきました。現在、戸籍や住民基本台帳の閲覧について厳しく制限があるのも、結婚や就職のさいに本籍地が調べられ差別に利用されるからです。本籍地は住民票にも記載されており、住民票も請求してはなりません。
A家族の状況(職業、収入・資産、住居、学歴、健康など)
 「親がこうだったから子もこうだ」という考え方は、予断と偏見に満ちたものと言わなくてはなりません。本人の適性・能力と関係ありません。人間を個人として尊重しない考え方です。作文を書かせる場合でも「わたしの生い立ち」とか「わたしの家庭」というテーマは不適当です。1996年から「統一応募用紙」の家族構成の欄が削除され、2005年から「保護者」欄も削除されました。
B思想、信条、支持政党、宗教
 憲法に保障された思想・信教の自由の問題です。尊敬する人物や愛読書を聞くことによって、思想信条を推測しようとすることも不適切です。労働運動や学生運動など社会運動に関する質問も不適切です。
C自宅への略図
 通勤経路の把握のためという理由で書かせる場合があるようですが、それは採用後でよいことです。むしろ、身元調査に利用しようとするためと考えられます。
Dその他、仕事にたいする適性や能力に関係のない事柄
 面接で女性にスリーサイズを聞いたり、既婚か、恋人はいるかなどの質問をしたという例がありましたが、不適切な質問です。
E健康診断
 採用選考時の血液検査などの健康診断は、その職種によって真に必要かどうかを慎重に検討する必要があり、一般的には必要がありません。実施することは、就職差別につながる恐れがあります。1996年の「統一応募用紙」改定では、「胸囲」「色覚」欄が削除されました。

   「公正採用選考人権啓発推進員」は設置されていますか。
   職場で人権啓発・研修はなされていますか。

 公正採用選考人権啓発推進員制度とは、「部落地名総鑑」差別事件を契機に1977年につくられた企業内同和問題研修推進員制度が、1997年から名称変更されたものです。これは、就職差別をなくすために、公正な採用選考システムを確立する必要があり、事業主にたいする啓発・指導の一層の強化をはかるために労働行政の中で始められた制度です。
 当初、従業員100名以上の事業所に「推進員」を設置することが指導されましたが、現在では府県によっては30人以上とするなど100人未満でも設置が相当進んでいます。しかし、名前は登録されているが職業安定行政の研修を受けたこともなく、公正採用選考のシステム確立や社内研修など何もやっていない推進員も少なくない現状があります。その意味で、労働組合としても点検が必要です。
 また、「推進員」がその任務をはたすために、企業のトップクラスが部落問題について正しく認識することが大切だとの観点にたち、1983年から企業トップクラスに対しても、職業安定行政による研修が実施されています。
 就職差別を無くすためには、採用担当者だけでなく、職場全体の啓発が必要です。また、職場で差別を許さないための研修や取り組みと一体のものです。

4、高校・大学と連携した点検活動〜「受験報告書」
 就職差別を許さないためには、求職者にも「統一応募用紙」の趣旨を周知徹底する必要があります。
 都道府県によっては、高等学校の生徒が就職試験を受ける際に、「統一応募用紙」の趣旨を説明し、採用試験を受けたあとに、受験者が提出書類や面接などの内容を高等学校に報告するシステムをつくっており、「受験報告書」として様式も決めています。そして差別につながる個人情報の収集が無かったか点検し、問題があれば労働行政・教育行政が連携して企業などに対する是正の取り組みをしています。大学については、大阪府内の全大学で同様の「報告書」と啓発が取り組まれ、大阪府、大阪労働局と連携して取り組を進めています。このような取り組みも全国に広げていく必要があります。

5、公務員の取り組み
 民間職場と公務員職場では、就職差別撤廃についての考え方に基本的違いはありません。しかし、国や自治体は就職差別撤廃や人権教育・啓発を推進する立場にあり、まず自らが実践し徹底する必要があります。
 しかし、公務員職場でも「統一応募用紙違反」があとを絶たない現実があります。最近では、04年に新潟県および県内自治体から「統一応募用紙違反」が多数見つかったのを皮切りに、長野県、福井県で多くの自治体職員・関連団体職員の採用選考における「統一応募用紙」違反の事実が次々と出てきました。
 公務員には職業安定法第5条が直接適用されませんが、国家公務員法・地方公務員法の「平等取扱の原則」「任免の根本基準」など、公正な採用選考について「統一応募用紙」の趣旨と同様の考え方にたっていることを総務省が明らかにしています。
 また、運動の中で2000年に制定を勝ち取った「人権教育および人権啓発の推進に関する法律」(人権教育・啓発推進法)には、「人権教育および人権啓発に関する施策を策定し、および実施する責務を有する」と国・自治体の責務を明らかにしています。

6、就職差別撤廃月間を設定し取り組みを強化しよう
 部落解放中央共闘および全国共闘は、就職差別撤廃の取り組みを運動の柱にしており、これまで1993年と2000年の2回にわたりアンケート調査を実施し、その結果をふまえパンフを発行してきました。また、6月を「就職差別撤廃月間」と位置付け、各地で創意工夫した取り組みを呼びかけてきました。
 また連合においても、運動方針の中で「就職差別撤廃」が明記され、重要な課題として位置付けられています。そして、連合としての職場アンケート調査も2008年6月からとりくまれています。さらに連合は「男女平等月間」(6月)を設定し、職場・地域での取り組みを進めています。
 また東京では、毎年6月に部落解放同盟、連合、東京人権啓発企業連絡会など幅広い実行委員会で「就職差別撤廃東京集会」が開催され、各地の共闘会議でも取り組みがなされています。
    自治体や労働局の取り組み強化も要求しよう
 一方、厚生労働省は、6月を「男女雇用機会均等月間」「外国人労働者問題啓発月間」としています。
 また、自治体と労働局などが連携した取り組みとして、東京都の「就職差別解消促進月間」(6月)、大阪府の「就職差別撤廃月間」(6月)、滋賀県の「企業内同和問題啓発強調月間」(7月)、熊本県の「適正採用選考啓発強調月間」(8月)、京都府の「就職差別解消旬間」(6月10日〜19日)が取り組まれており、就職差別撤廃にむけ「統一応募用紙」使用など公正採用選考の周知徹底がおこなわれています。取り組みの内容は都府県によって違いますが、企業トップセミナー、「公正採用選考人権啓発推進員」対象の講演会、講演と映画の集い、啓発ポスターの掲示、庁舎などに懸垂幕・横断幕、TV・ラジオなどでのスポット、新聞広告、街頭キャンペーン、区市町村や経済団体への協力要請、商工団体・企業にチラシ配付、商工団体などの機関誌に「従業員の採用選考についてのお願い」の啓発文を掲載、臨時電話を設置しての「就職差別110番」の相談受付、などです。そして、大阪府ではILO第111号条約の早期批准も訴えています。さらに、大阪府では「部落差別事象にかかわる調査等の規制等に関する条例」、熊本県では「身元調査規制条例」が制定されています。このような自治体と労働行政などの取り組みを全国各地に広げていく必要があります。
 【関連ホームページアドレス】
 厚生労働省 www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo.htm
 東京都   www.hataraku.metro.tokyo.jp/siryo/panfu/panfu36/
 大阪府   www.pref.osaka.jp/koyosuishin/saiyou/index.html
 
 
7、今なお続く身元調査
 他人の戸籍騰抄本を不正に取得し、差別身元調査に使う事件が後を絶たない現実があります。最近では、行政書士や弁護士など特定8業種の業務用請求書を悪用し、戸籍騰抄本を大量に取得し密売する事件が次々と明らかになり、大きな問題になりました。このことは、今日もなお結婚や就職における身元調査によって、部落差別がくり返されている深刻な現実を明らかにしています。そして、2007年4月に戸籍法の改定もおこなわれ窓口事務の改善等がなされましたが、他人に戸籍をとられた場合の「本人通知」制度は実現せず、不十分なものとなっています。
 また、行政書士などによる戸籍等大量不正請求事件を究明する中で、2006年になって、興信所などの調査業者が新たな種類の「地名総鑑」を保有していたことが発覚しました。さらにフロッピーに電子情報化された「地名総鑑」があいついで回収されました。これらの現実を見れば、1975年に発覚した「部落地名総鑑」差別事件は、まだ解決したわけではなく、水面下で続いているといわざるを得ません。
 私たちは、身元調査や就職差別を許さない取り組みを継続して強化していく必要があります。


【資 料】

職業安定法(抜粋)1999年6月改定
(求職者等の個人情報の取り扱い)

第5条の4 @公共職業安定所等は、それぞれ、その業務に関し、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報(以下この条において「求職者等の個人情報」という。)を収集し、保管し、又は使用するにあたっては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合には、この限りではない。
A公共職業安定所等は、求職者等の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。
(注)「公共職業安定所等」には、職業紹介事業者、労働者の募集を行う者および募集受託者並びに労働者供給事業者も含まれる。労働者の募集を行う者は募集形態の如何(直接募集、間接募集、委託募集)を問わず第5条の4が適用される。

労働大臣指針(労働省告示第141号)・抜粋 1999年年12月施行
    第4  法第5条の4に関する事項(求職者等の個人情報の取扱い)

1 個人情報の収集、保管及び使用
(1)職業紹介事業者等は、その業務の目的の範囲内で求職者等の個人情報(以下単に「個人情報」という。)を収集することとし、次に掲げる個人情報を収集してはならないこと。ただし、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りではないこと。
  イ 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
  ロ 思想及び信条
  ハ 労働組合への加入状況
(2)職業紹介事業者等は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で、本人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければならないこと。
(3)職業紹介事業者等は、高等学校若しくは中等教育学校又は中学校の新規卒業予定者から応募書類の提出を求めるときは、職業安定局長の定める書類(全国高等学校統一用紙又は職業相談票(乙))により提出を求めること。
(4)個人情報の保管又は使用は、収集目的の範囲に限られること.ただし、他の保管若しくは使用の目的を示して本人の同意を得た場合又は他の法律に定めのある場合はこの限りでないこと。

2 個人情報の適正な管理
(1)職業紹介事業者等は、その保管又は使用に係る個人情報に関し、次の事項に係る措置を講ずる
 とともに、求職者等からの求めに応じ、当該措置の内容を説明しなければならないこと。
  イ 個人情報を目的に応じ必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置
  口 個人情報の紛失、破壊及び改ざんを防止するための措置
  ハ 正当な権限を有しない者による個人情報へのアクセスを防止するための措置
  二 収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するための措置
(2)職業紹介事業者等が、求職者等の秘密に該当する個人情報を知り得た場合には、当該個人情報
 が正当な理由なく他人に知られることのないよう、厳重な管理を行わなければならないこと。なお、
  有料職業紹介事業者は特に厳重な管理を行わなければならないこと。